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執筆者の写真Beyond Media

ロンドンの経済再開の実態

更新日:2020年6月16日

writer 中村航.テレビ東京ロンドン支局長兼モスクワ支局長

ロンドンで小売店が再開。街の様子をリポートです。

ここにきて、思い出すのは、 真っ白なあいつとの果たせなかった約束です。


時は遡り3か月前、都市封鎖の直前です。 その日私はワイシャツを買おうとしていました。 店の前を通りかかったんです。 にもかかわらず「今度時間あるときに買おう」となぜか買わなかったんです。

あれは確か3月23日の日中。 そしてまもなく、いつものように髪の毛をかき乱したボリスが、都市封鎖を発表しました。 「明日やろうは馬鹿野郎」

以前プロポーズ大作戦というドラマで山Pが教えてくれてたこのありがたい教訓を、私は生かすことできなかったのです。

ワイシャツを買えなくなった私。 「お店が再開したら、すぐにワイシャツを買いに行くぞ」 と強く心に誓いました。

この3か月。 店の前を通り、暗い闇に佇むマネキンが着ている素敵なワイシャツをみるたびに「いつの日か絶対に手に入れてやるからな」と決意を新たにしていました。

しかし現実は残酷で。 サイズが合わないワイシャツ、汚れが取れなくなったワイシャツをやむなく着ることになりました。

時にはオンラインの欲望に負けた日もありました。 ポチっとしてしまったんです 言い訳の余地もありません。 魔が差したんです。

ポチっとしたのは無駄にちょっとよさそうなワイシャツでした。 ポチっとしたワイシャツは4枚でした。

そんな時は、マネキンが着ているワイシャツが恨めしそうにこっちを見てくる気がして、しばらくその店の前を通れませんでした。

白状すると、最近はあんなに欲していたワイシャツのことも忘れ生活を送っていました。 しかし15日、小売店が再開した時にフラッシュバックのように私の記憶が蘇ったのです。 ああ…あいつに会いに行こう!会いに行かないと… 気づいたら私の足は動き出していました。 胸の鼓動を従えて、歩を進めること自体に愉悦を感じながら、夢中で駆けだしたんです。

するとその道中。 目の端に入ってきたのは日本の食材が売っているスーパー。 あ、マヨネーズとか納豆とか売ってないかな。 抑えきれない衝動に動かされました。

店に入ると、目くるめく魅惑の世界が広がっています。 この時ばかりは即断即決。 両手いっぱいで抱えきれないくらいの日本食材を購入しました。 ああ、いい買い物した。 きょうは天気もいいし、良い1日だな。 あはは、あはは。 ワイシャツは明日でいいや。 そして家路につきました。 「とにかくワイシャツが買いたい!」 ということを水増しした文章で書いただけです。 深い意味はありません。 余談ですが、オンラインでぽちっとしたワイシャツたち。 彼らは私の実家に届きました。なんで? なお真っ白なあいつとの約束、の「真っ白なあいつ」とは、アソパソマソに出てくる給食のパンを配達しているあいつとの約束のことです。 なんでお前は誰にも顔を食べさせてやらないんだよ。 そんな会話から発展した、約束のことです。 それについては、また気が向いたら書きます。 つまり。 たぶん書かない。

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