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執筆者の写真Beyond Media

全米で増大するアジア系に対するヘイト。クオモ州知事はセクハラ疑惑で英雄から転落

writer Eri Kurobe from エスクァイア誌「ニューヨークからの生声」

画像にある「アジア系に対するヘイト」反対集会に出てきましたが、今回ほどアジア系がまとまって声をあげたことはないです。

もしかして日本のみなさんには遠い出来事に感じるかもしれませんが、音楽家の海野さんが暴行されたように、留学生、駐在員、日本食料理店、在米邦人、そしてまた旅行に行けるようになれば、ハワイやディズニーランドに行く観光客にも係わる重要な問題です。

すべての人が差別の恐怖にさらされずに生きていけるようにしていかなくては。

自分たちが差別当事者にまわると、人種を超えたアライ(味方、仲間)がどれだけ大事か、よくわかります。


日本国内では「支那ウイルス」「武漢ウイルス」と呼ぶ一派もいるようですが、そうした嫌悪や憎悪がまわりまわって、アメリカに住むアジア系全般にむけられていることを、ぜひ知っていただきたいです。


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コロナ禍発生からちょうど一年が経ったニューヨークでは、昨2020年春のロックダウン時期とはずいぶん様相が変わってきた。街にも少しずつ人が戻っている。その理由はなんといっても、コロナ・ワクチン接種の普及だ。全米では1.13億回のワクチン接種が行われ、一回でも接種した人は人口の約20%になった…。


パンデミックについては回復も見えてきた一方で、全米各地でアジア系に対するヘイト犯罪が大きな問題となっている。コロナ禍を中国のせいだと思いこむ、人種差別のせいだ。

 コロナ禍から一年経ったニューヨークから現状をご報告しよう。


クオモ州知事に、 7人の女性からセクハラ告発!

 

まず2021年2月からニューヨークを揺るがしているのが、アンドリュー・クオモNY州知事(民主党)のセクハラ疑惑だ。

2月に初めてクオモ知事によるセクハラを告発したのは、かつて側近として働いたことのある女性、リンジー・ボイラン氏だった。二人目の告発者シャーロット・ベネット氏も、同じく側近だったという経歴の持ち主だ。


 三人目の告発者、アナ・ルッチ氏は、結婚式の披露宴で会ったクオモ氏から「キスしていい?」と迫られたことを告白しており、彼女がクオモ氏から頬を触られている写真が出まわって、スキャンダルとなった。

このときのクオモ知事の意図はどうであれ、若い女性が顔を触られて困惑しつつも、相手に失礼のないようにしようとしている様子が見てとれて、多くの女性たちにとっては「ある、ある」と感じられたことだろう。


 さらにジャーナリストたちからもセクハラを訴えられており、現在(2021年3月19日)までに7人の女性がセクハラ告発をしている。

 このセクハラ疑惑に、クオモ州知事は「自分が不適切に相手に触ったことはない」「意図したものではない」と強調しつつも、誰かを不快にしたことについては謝罪を述べた。そして告発については、外部の独立調査に調べさせるとして、知事自身は「辞任はしない」と主張している。


 昨2020年のコロナ禍では、クオモ知事はまさしくニューヨーク州のヒーローだった。毎日記者会見を行い、数字を明確に出して「ファクト」にもとづいた説明を行った姿勢が、高い評価を得て「クオモを次期大統領に」という声まで聞かれたほどだった。そのため2022年の州知事選で再選確実と言われていたのだが、ここに来て急に人気が陰りだした。


 クオモ知事にとって大きなつまづきとなったのは、まず新型コロナによるニューヨーク州の死者数を、少なく公表していたという疑惑だ。2020年3月末、トランプ政権からの批判を回避するために、高齢者施設でのコロナ感染死者数を凍結して公表しなかったという疑いが浮上した。そこに加えてセクハラ疑惑がもちあがり、7人もの女性から訴えられているとあって、クオモ知事に辞任を要求する声が高まっている。対立する共和党議員のみならず、民主党内からも非難の声が挙がっていて、デブラジオ・ニューヨーク市長も「辞任すべき」との考えを示した。


 現在、激しく辞任の圧力がかかっている中、クオモ州知事自身は「辞任はしない」「事実が解明されるのを待つ」として、ニューヨーク州議会司法委員会による調査が行われる予定だ。


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