ビジネスでは学歴や資産が制限となる?〜経世済民が教えてくれること
- Beyond Media
- 2 日前
- 読了時間: 3分

writer Mari Adachi Editor-in-Chief of Beyond Media
「学歴が制限となるかも?」。とても興味深い考察の話を目にしました。「ひふみ投信」で有名なレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんの対談からのご紹介です。藤野さんにはかつて、密着取材をさせていただきましたが、彼の話はとても明快で、わかりやすく、その上、筋が通っている方でした。
スタンフォード大学でティナ・シーリグさんという著名なベンチャーキャピタルの先生がいます。その先生の面白い授業を藤野さんが紹介してくれています。
授業ではチームごとに2日間でお金を稼がせる、という課題を出すそうです。しかし、その際、お金は使ってはダメ、徒手空拳(物事を始める時に頼りになるものが何もなく、身一つであること)で、2日間で稼ぎなさい、と言って、5名ぐらいのチームでビジネスプランを考えさせるわけです。
2日で稼ぐって?
しかし、その後、これは使ってヨシ、と封筒をチームに渡し、開けると5ドルが入っている。2日間で稼ぐわけですが、そこで成功した人たちは、実は5ドルを使わなかった人たちだった、とのこと。
面白い実験ですね。5ドルがあると、「この5ドルで粉を買って、ピザを作って売ろう」とか考える人が多いのですが、実はそれはある意味ひっかけなのです。たった5ドル(750円)くらいで、結局それがビジネスモデルの制約になってしまう、ということ。
優勝チームは何をしたかというと、スタンフォード大学の中で、自転車の空気入れをタダで10個ぐらい借り、大学の入り口のところで「free(タダ)」と、「ボランティアで空気を入れるよ」ってやると、ほぼ百発百中止まってくれる。その後「ドネーションプリーズ」って書くと、空気を入れてくれたから、3ドルとか5ドルとかくれる、という仕組み。
学歴が制約になるとは?
ここからの教訓は「あなたが持っている学歴や、いろいろなものは全部制約だ」と言っている。「それよりも、客や世の中を見ろ」ということ。
とても面白い実験ですね。こうした柔軟な思考こそが今の社会には求められているんだと思います。むしろ学歴だったり、実家がお金持ちだったり、ということはイノベーションにとっては制限になる可能性が高いとシーリグ先生は説いているのです。こんな授業、受けてみたいですね。
また、藤野さんは「結局、ビジネスで成功する人は、サラリーマンであれ起業家であれ、自分の周りの人をどれだけたくさん喜ばせたかという、総量で決まるわけです。・・・もともと人は、お金や組織とは関係なく、1人で自立して生きることが標準になっている。お金においては、仲間をどう作っていくのかに懸かっているんじゃないかなと思いますね。」と語っています。
経世済民の大切さ
私も全くその通り、同感です。私も大学で授業をやっているのですが、経済というのは人を幸せにするものだと教えています。経済の用語の語源は「経世済民」。これは「世を治め、民の苦しみを救うこと」という中国の故事から来たと言われています。どれくらい周りを喜ばせたか、民の苦しみを救ったか、で富というのは形成されていくのです。それを知らない学生さんはとても多いです。いや、社会人でも知らない方が多いかも?この際、しっかり覚えておきましょう。学歴よりも大切なことです。
藤野さんの動画はこちら
Comments